サイディングやモルタル外壁の剥がれは、「表面の塗膜だけがめくれている状態」か、内部への水分侵入や凍害によって「外壁材の基材そのものが欠けている状態」かで必要な補修工法と費用が大きく変わります。
上からペンキを塗るだけのDIYでは内部の湿気や旧塗膜の浮きが解消されず再発しやすいため、小範囲の部分補修(約2万〜5万円/箇所)で済むか、全面塗装(約80万〜120万円目安)や部分張り替えが必要かを原因別に判断しましょう。
自宅のサイディング外壁を見たら、表面の塗装がパリパリと剥がれて白くなっていました。部分補修だけで直せるのでしょうか?
富山の建築現場で20年間、外壁診断を行ってきた私からお答えすると、基材が硬く健全ならケレンと部分塗装で直せますが、凍害や内部結露でボード自体が脆くなっている場合は張り替えが必要です!
外壁のペンキや表面がポロポロと剥がれ落ちているのを見つけると、「このまま雨漏りして柱まで腐ってしまうのではないか」「業者に頼むと何百万円も請求されるのではないか」と強い不安を感じるものです。
この記事では、日本窯業外装材協会(NYG)の標準施工基準や塗料・建材メーカーの技術資料をもとに、外壁が剥がれる原因の見分け方からDIYが失敗する理由、工法別の費用相場まで体系的にまとめました。
この記事でわかること
- 外壁が剥がれる3大原因:ケレン不足・下塗り乾燥時間ミス・内部水分の仕組み
- 凍害とモルタル浮きの見分け方:塗膜剥離と基材破損(凍害・浮き)の決定的な違い
- DIY上塗りが再発する理由:旧塗膜の密着不良と「直貼り工法」の注意点
- 工法別の補修費用相場:部分補修・全面塗装・部分張り替え・カバー工法の価格帯
- 失敗しない見積もり手順:施工保証の確認と「ケレン・下塗り材明記」の比較法
- 1 | サイディングやモルタル外壁の塗装が剥がれる3つの原因と「凍害・浮き」の見分け方
- 1-1 | 塗膜がパリパリ剥がれる・膨れる3大要因(ケレン不足・下塗り乾燥ミス・内部水分)
- 1-2 | 寒冷地や水切り周りで多発する窯業系サイディングの「凍害(基材破損)」と釘周りの剥離
- 1-3 | モルタル壁の「塗膜剥離」と「モルタル層の浮き・剥落リスク」を見分ける打診検査
- 2 | 外壁の剥がれ放置が招く躯体腐食リスクとDIYのペンキ上塗りがすぐ剥がれる仕組み
- 2-1 | 剥がれた箇所から雨水が浸入し柱や土台を腐らせるメカニズム
- 2-2 | DIYでホームセンターのペンキを上から塗っても数ヶ月で再発する3つの理由
- 2-3 | 2000年以前の「直貼り工法」サイディングで塗装剥がれが繰り返される構造上の注意点
- 3 | 外壁の剥がれ補修にかかる業者の費用相場(部分補修・全面塗装・張り替え)と見積もりの鉄則
- 3-1 | 工法別の費用相場一覧(部分ケレン塗装・全面塗り替え・部分張り替え・カバー工法)
- 3-2 | 塗装後1〜3年以内の早期剥離における工事保証の確認と相見積もりの3ステップ
- 3-3 | まとめ:サイディングやモルタル外壁の剥がれは水分の侵入経路を特定してから適切に補修しよう
- 4 | よくある質問
サイディングやモルタル外壁の塗装が剥がれる3つの原因と「凍害・浮き」の見分け方

そもそも、どうして外壁の塗装が急にパリパリと剥がれたり水ぶくれのように膨れたりするのでしょうか?
主な原因は「下地処理や下塗り材の施工不良」「経年劣化による防水切れ」「壁の内側に溜まった水分や寒冷地の凍害」の3つに分けられます。
外壁の剥がれに気づいたとき、日本窯業外装材協会(NYG)のメンテナンス指針でも重視されているのが「塗装表面の劣化」と「外壁材(基材)自体の破損」を区別することです。まずは剥がれを引き起こす3つの原因と症状の違いを確認しましょう。
塗膜がパリパリ剥がれる・膨れる3大要因(ケレン不足・下塗り乾燥ミス・内部水分)
大手塗料メーカーである日本ペイントの技術資料「はくり・付着不良・はがれ」や窯業系サイディング材メンテナンス技術研究所の調査事例では、塗膜が剥がれる代表的な要因として以下の3点が挙げられています。
| 塗膜剥がれの3大要因 | 具体的な発生メカニズム | 症状が出やすい時期・箇所 |
|---|---|---|
| ① 下地処理(洗浄・ケレン)不足 | 高圧洗浄後の汚れ・水分や、付着力が落ちた古い塗膜を削り落とさずに上から塗装し、素地と密着しない | 塗装から1〜3年以内に広範囲でペリペリと塗膜がめくれる |
| ② 下塗り材選定・乾燥時間ミス | 無機・親水コーティング壁に適さない下塗り材(シーラー)を使ったり、規定の乾燥時間を守らず中塗りしたりする | 難付着サイディング面や、日当たりの悪い北面・低温施工箇所 |
| ③ 雨水・結露などの内部水分 | ひび割れや目地から入った雨水・結露水が下地に残り、日射熱で温められて塗膜を内側から押し上げる | サッシ周り・水切り付近・2000年以前の「直貼り工法」の外壁 |
たとえば日本ペイントの「水性パーフェクトシーラー」製品仕様では、上塗りまでの塗り重ね乾燥時間として「気温5〜10℃で6時間以上、23℃で4時間以上、30℃で2時間以上」が明確に定められています(同社の「水性シルクシーラー厚膜」でも製品・気象条件別の乾燥時間を規定)。表面が指で触って乾いているように見えても、高圧洗浄後の下地乾燥や下塗りの規定時間を待たずに次の塗料を重ねると、残存水分や密着不良によって早期剥離を引き起こします。
実際に住宅オーナーの間でも、新築時や前回の塗装で耐久性の低い材料や外壁材に合わない塗料を使われた結果、数年で表面が剥がれてきた事例が報告されています。
「新築から17年たち塗装屋さんに屋根、壁の見積りお願いしましたが壁は張り替えか上から新しく貼るしかないと言われ、耐久性の無い材料で施工されましねと言われました。新築から3年で外壁の表面が剥がれが出てきて」 (引用元:X(旧Twitter)@jiangminjp の投稿)
近年の「高意匠サイディング」は専用シーラーを使わないと剥がれやすい
光触媒や無機・親水コーティングが施された近年のサイディング外壁は、汚れを弾く性質があるため、従来の一般的なシーラー(下塗り材)では塗料が密着せず数年でペリペリと剥がれてしまうことがあります。必ず難付着サイディング対応の専用下塗り材を選定できる業者に依頼しましょう。
寒冷地や水切り周りで多発する窯業系サイディングの「凍害(基材破損)」と釘周りの剥離

私が活動する富山県のような寒冷地・多雪地域だけでなく、全国の冬場に氷点下となる地域で特に警戒したいのが、窯業系サイディングの「凍害(凍結融解による基材破損)」です。
- 水分が凍って膨張しボード自体を破壊する:サイディング内部の微細な空隙に雨水や結露水が溜まり、冬場の夜間に凍結・膨張し、昼間に融けるサイクルを繰り返すことで基材が内側から崩れる(出典:ケイミュー:耐凍害性の技術解説)
- 水切り周辺や基礎モルタル付近で起きやすい:基礎モルタルにサイディング下端が埋め込まれていたり、土台水切りとの隙間が不足していたりすると、毛細管現象で水を吸い上げて下部からボロボロと層状に剥がれる(出典:NYG:窯業系サイディングと標準施工 第4版)
- 釘頭(ビス周り)のひび割れと剥離:ボードを留めている釘・ねじの位置が板端に近すぎたり、吸水・乾燥による反りや地震の揺れが加わったりすると、釘頭付近のタッチアップ剥離だけでなく基材の割れに進展しやすい(出典:ケイミュー:住宅外まわりのメンテナンス)
剥がれた断面を見たとき、グレーや白っぽいセメント質の層が粉を吹いたようにポロポロ欠ける状態(現場では俗に「爆裂」とも呼ばれます)は、塗膜ではなくサイディング基材そのものが凍害で破損しているため、塗装だけでは補修できません。
モルタル壁の「塗膜剥離」と「モルタル層の浮き・剥落リスク」を見分ける打診検査

モルタル外壁の場合は、表面のペンキだけが剥がれているのか、それとも下地から「モルタル仕上げ層ごと浮いているのか」を見極める必要があります(出典:ビューローベリタス:モルタルの浮き〜原因と必要な調査〜)。
| モルタル壁の症状区分 | 外観と内部の状態 | 調査方法と必要な補修の方向性 |
|---|---|---|
| 塗膜表面の膨れ・剥離 | モルタル自体は硬いが、表面の塗装膜だけが水ぶくれや皮のようにめくれる | スクレーパー等で浮いた旧塗膜をケレン除去し、下地調整後に再塗装する |
| モルタル仕上げ層の浮き | 経年劣化やひび割れから雨水が回り、下地とモルタル層の付着が失われ空洞化する | テストハンマーによる打診検査(健全部との打音差)で範囲を特定し、エポキシ樹脂注入等で固定する |
| モルタル塊の剥落・落下 | 浮きが進行し、地震や強風をきっかけに外壁の一部が剥がれ落ちる危険な状態 | 浮き部分を撤去して左官モルタルで再成形し、通行人や隣家への落下事故を防ぐ |
専門業者が行う打診検査では、テストハンマー(打診棒)で壁面を叩き、健全部と浮き部の反響音の違いから内部の空洞を診断します(出典:日本建築学会技術報告集:各種測定法によるタイル仕上げ外壁の診断精度に関する研究)。なお、同研究はRC造タイル仕上げ外壁を対象としたものですが、木造住宅のモルタル壁でも「表面の塗装問題」と「モルタル層自体の浮き」を分けて診断することが安全上不可欠です。
【外壁剥がれの原因と見分け方のポイントまとめ】
- 塗装後1〜3年以内の剥がれは「ケレン不足」や「下塗りシーラーの選定・乾燥ミス」の可能性が高い
- 剥がれた断面が白くボロボロ崩れる場合は、水分凍結による「凍害(基材破損)」を疑う
- モルタル壁は塗膜だけの剥がれか、モルタル層ごと浮いているかを打診検査で見分けることが重要
では、こうした外壁の剥がれを放置したり、市販のペンキでDIY上塗りしたりするとどうなるのか、具体的なリスクを見ていきましょう。
外壁の剥がれ放置が招く躯体腐食リスクとDIYのペンキ上塗りがすぐ剥がれる仕組み
剥がれている面積が手のひらサイズくらいなら、ホームセンターで似た色のペンキを買ってきて塗れば塞げるのではないでしょうか?
気持ちはよくわかりますが、剥がれた箇所の上からそのままペンキを塗っても、数ヶ月で周囲ごと再びめくれ上がり、壁の中の腐食を進めてしまうケースがほとんどです。
外壁の塗膜が剥がれているということは、建物の防水バリアが破れて素地がむき出しになっている状態にほかなりません。放置や安易なDIYが招くリスクを整理しました。
剥がれた箇所から雨水が浸入し柱や土台を腐らせるメカニズム
窯業系サイディング(セメントと繊維質が主原料)もモルタル壁も、素材自体には防水性がなく、表面の塗膜によって雨水の吸い込みを防いでいる構造です。塗膜が剥がれたまま放置すると、以下のような段階を経て建物内部へダメージが広がってしまうでしょう。
- ステップ1:外壁基材の吸水と反り・ひび割れ:むき出しになった素地が雨水をスポンジのように吸い込み、晴れた日に乾燥して収縮することでボードの反りや端割れを引き起こす(出典:NYG:窯業系サイディングと標準施工 第4版)
- ステップ2:防水シートの劣化と雨漏り:反りや隙間から壁の内側へ雨水が回り込み、二次防水である透湿防水シートの継ぎ目や釘穴から内部へ浸入する
- ステップ3:柱・土台の腐朽とシロアリ被害:湿気を含んだ構造木材に木材腐朽菌が繁殖して強度が落ち、湿った木材を好むシロアリを呼び寄せる原因になる
SNS(X)上でも、古い塗装の剥がれを放置すると躯体が腐ると指摘されて工事に踏み切った声や、訪問販売の不適切な塗装で剥がれ・膨れが起き、サイディング裏の柱まで傷んでいた現場報告が投稿されています。
「外壁塗装をしたのは、古い塗装にヒビが入って剥がれて落ちたから。見たときショックだったわ…『このままだと雨が滲みて駆体が腐ります』と言われ、やむなく工事したけど割高だけど遮熱ペンキにして正解だったかも。」 (引用元:X(旧Twitter)@Pontamama12345 の投稿)
「その塗料、本当にうちの外壁に合ってます? 数年前に訪問販売で勧められた材料が外壁材と合っておらず、剥がれと膨れが出ていたお宅で、サイディングを撤去したら柱まで傷んでいました。」 (引用元:X(旧Twitter)@yokohama_paint の投稿)
表面の剥がれは壁内の構造材を守るための警告サイン
外壁の塗膜剥離や膨れは単なる美観の問題ではなく、裏側へ水分が回っているサインとして早めの点検を心がけましょう。
DIYでホームセンターのペンキを上から塗っても数ヶ月で再発する3つの理由

剥がれた部分だけをDIYのペンキで塗り直してもすぐに再発してしまうのには、塗装の仕組み上の明確な理由が存在します。
| DIY上塗りが失敗する理由 | 内部で起きている現象 | プロの補修工程との違い |
|---|---|---|
| ① 周囲の浮いた旧塗膜が残っている | 剥がれた箇所の周辺もすでに密着力が落ちており、新しい塗料の乾燥収縮に引っ張られて一緒にめくれる | 皮スキや電動工具で浮いた塗膜を十分に削り落とす「ケレン作業」を行い、段差をパテで平滑にならす |
| ② 専用の下塗り材(シーラー)がない | 劣化した素地や高意匠コーティング面に直接上塗り塗料を塗っても接着せず、膜だけが浮く | 外壁材の種類と劣化度合いに合わせた浸透性シーラーやエポキシ系プライマーを下塗りする |
| ③ 水分の侵入経路が塞がっていない | 目地シーリングの破断やサッシ周りからの漏水を止めずに表面だけ塗るため、内側から再び水ぶくれになる | 塗装前にシーリング打ち替えや雨仕舞いの点検を行い、水分の供給源を断つ |
日本窯業外装材協会(NYG)のメンテナンス案内でも、高所作業の転落リスクや下地判断の難しさから、施主自身での高所点検・補修は行わず専門業者へ相談するよう明記されています。DIYでのタッチアップ(補修塗り)は、1階の手が届く場所にある「釘頭のわずかな塗装剥げ」や「1〜2cm程度の浅い小傷」の応急処置のみにとどめましょう(出典:住まいの彩生館:タッチアップ塗装とDIYの注意点)。
2000年以前の「直貼り工法」サイディングで塗装剥がれが繰り返される構造上の注意点
もし自宅が2000年(平成12年)より前に建てられたサイディング住宅で、塗り替え後に塗膜の膨れや剥がれが繰り返し起きている場合は、外壁の構造が「直貼り(じかばり)工法」になっている可能性があります。
| 外壁の施工構造 | 壁内部の仕組みと湿気の動き | 塗装メンテナンス時の注意点 |
|---|---|---|
| 外壁通気構法(現在の標準) | 防水シートとサイディングの間に胴縁で通気層を設け、湿気や浸入水を外部へ排出・乾燥させる | 下地が健全であれば通常のケレン+下塗り+上塗りで長期の耐久性が期待できる |
| 直貼り工法(2000年以前に多い) | 通気層がなく断熱材・防水紙に直接ボードを貼るため、内部の湿気や水分が逃げ場を失う | 塗装すると行き場を失った水分が塗膜を押し上げて膨れ・剥離を起こしやすいため、カバー工法や張替の検討が必要 |
塗装業界の専門家からも、2000年以前の直貼り工法サイディングにおける塗膜剥離リスクが指摘されています。
「2000年より前に建てた家のサイディング外壁は、塗装しても数年で膨れたり剥がれたりすることがあります。今の家はサイディングと壁の間に通気層がありますが、2000年以前は断熱材に直接サイディングを貼り付けている直貼り工法の家が多いのが原因です。」 (引用元:X(旧Twitter)@yossy03017808 の投稿)
水切りとサイディングの隙間に鏡や定規を差し込んだ際、奥に胴縁(通気層の隙間)がなくすぐ防水シートに当たる場合は直貼り工法の可能性が高いため、必ず知識のある専門業者に診断してもらいましょう。
【放置リスクとDIY限界のポイントまとめ】
- 塗膜が剥がれた素地は雨水を吸い込み、放置するとボードの反りや内部の柱の腐食につながる
- ケレン(旧塗膜除去)や水分経路の遮断をせずにDIYでペンキを塗っても、周囲ごと再剥離しやすい
- 2000年以前の「直貼り工法」は内部の湿気で塗膜が膨れやすいため、塗装前の構造確認が不可欠
ここからは、専門業者に補修を依頼した場合の工法別費用相場と、損をしない見積もりチェックの手順を見ていきましょう。
外壁の剥がれ補修にかかる業者の費用相場(部分補修・全面塗装・張り替え)と見積もりの鉄則

専門業者に外壁の剥がれ補修をお願いすると、部分補修と全体のやり直しでどれくらい費用が違うのでしょうか?
1階の小範囲なら数万円で収まることもありますが、2階以上で足場が必要な場合や、凍害でボード交換が必要な場合は全体のメンテナンス計画とあわせて比較するのが鉄則です。
外壁の剥がれ補修は、劣化が「塗膜のみか・基材まで達しているか」と「発生している範囲」によって4つの工法に分かれます。
工法別の費用相場一覧(部分ケレン塗装・全面塗り替え・部分張り替え・カバー工法)
LIXILリフォームショップの公開費用目安や住まいの彩生館、リホームナビの外壁改修データをもとに、一般的な戸建て住宅(30坪前後)における工法別の費用相場を整理しました。
| 補修工法の種類 | 公開相場の目安(30坪戸建て参考) | 適している劣化症状・対象ケース | 見積もりで確認すべき条件 |
|---|---|---|---|
| ① 部分ケレン+下地調整+部分塗装 | 約2万〜5万円/箇所(足場代別途) | 1階の手が届く範囲の軽微な塗膜剥がれ・10cm以内の小傷補修(1〜3箇所程度) | 2階以上で仮設足場(約15万〜20万円)が必要な場合は全体工事と同時が合理的 |
| ② 全体ケレン+外壁全面塗り替え | 約60万〜180万円(中心例80万〜120万円) | 築10年前後で塗膜の剥がれやチョーキングが広がっているが、サイディング基材は健全な場合 | 付着力が低下した旧塗膜のケレン範囲と、高意匠壁対応シーラーの有無を確認 |
| ③ サイディングの部分張り替え | 約5万〜20万円前後(枚数・足場による) | 水切り周辺や窓下など、一部のボードだけが凍害や割れで破損している場合 | 既存と同じ柄のボードが廃盤の場合は、近似柄での張替+塗装で色を合わせる |
| ④ カバー工法(重ね張り)・全面張替 | カバー:約100万〜220万円 張替:約150万〜300万円 | 凍害(基材破損)が壁全体に及んでいる場合や、直貼り工法で塗装では再剥離する場合 | 内部の柱や防水シートまで腐食している場合はカバー工法ではなく張り替えを選ぶ |
部分塗装は初期費用こそ2万〜5万円程度と安価ですが、周囲の古い塗膜と新しく塗った部分で色ツヤの差(補修跡)が目立ちやすい点に注意してください。また、実際の費用は建物の施工面積、足場・飛散防止ネットの有無、シーリング補修の範囲、使用する塗料グレードによって変動するため、内訳明細の確認が欠かせません(出典:LIXILリフォームショップ)。
塗装後1〜3年以内の早期剥離における工事保証の確認と相見積もりの3ステップ

外壁の剥がれを見つけた際は、すぐに新しい業者へ工事を発注するのではなく、以下の3ステップで原因と保証を確認してください。
- STEP1:前回の塗装から1〜3年以内なら「工事保証書」を確認する:塗り替え後わずか1〜3年で塗膜がパリパリ剥がれた場合は、経年劣化ではなく下地処理不足や下塗り材ミス(施工不良)の可能性が高いため、施工業者の保証書やリフォーム瑕疵保険で無償補修できるか確認する
- STEP2:「直貼り工法」か「凍害」かを現地調査で診てもらう:壁の下端から水を吸っているのか、直貼り工法で内部の湿気が逃げられないのかを特定してもらい、塗装で直る状態か張り替え・カバー工法が必要かを判断する
- STEP3:2〜3社の相見積もりで「ケレン種別」と「下塗り材名」を比較する:「下地調整 一式」としか書かれていない見積書は避け、旧塗膜を除去するケレン作業の内容と、外壁材に適合する下塗りシーラーの製品名が明記された業者を選ぶ
「火災保険で外壁の剥がれが無料で直せる」という勧誘に注意
台風による飛来物の衝突などで外壁が破損した場合は火災保険の対象になることがありますが、経年劣化や施工不良、通常の凍害による塗膜剥がれは火災保険の対象外です。
「保険金で実質0円で塗装できる」と謳う業者とのトラブルが増えているため、自然災害による突発的な破損かどうかを冷静に切り分けましょう。
まとめ:サイディングやモルタル外壁の剥がれは水分の侵入経路を特定してから適切に補修しよう
サイディングやモルタル外壁の塗装剥がれについて、原因の見分け方と補修費用の目安をまとめました。
外壁剥がれ補修の判断とコスト最適化チェックリスト
- 塗装後1〜3年以内の早期剥がれ:ケレン不足やシーラー選定・乾燥時間ミスの可能性が高いため、まず施工店の保証を確認する
- 断面が白くボロボロ崩れる「凍害」:寒冷地や水切り周りで基材自体が壊れている場合は、塗装だけでは直らないため部分張り替えやカバー工法を検討する
- モルタル壁の膨れ・浮き:塗膜だけの剥がれか、モルタル層ごと浮いているかを打診検査で調べ、剥落事故を防ぐ
- DIYの上塗りは応急処置に限定:浮いた旧塗膜の上からペンキを塗ってもすぐ再発するため、1階の小傷以外はプロの下地処理に任せる
- 相見積もりで工法と内訳を比較:部分補修(約2万〜5万円/箇所)か全体改修(塗装60万〜180万円・カバー工法100万〜220万円目安)かを2〜3社の診断で比較する
外壁の剥がれは、住まいが発している「水分の侵入サイン」です。内部の柱や土台まで腐食が広がって大規模な張り替えになる前に、まずは信頼できる専門業者の現地調査で「塗膜の剥がれか、基材の破損か」を正確に診断してもらいましょう。
よくある質問
- 外壁の塗装が一部だけパリパリ剥がれてきた場合、部分補修だけで直せますか?
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剥がれている範囲が1階の手が届く小さな箇所(10cm以内の傷など1〜3箇所程度)であり、サイディングやモルタルの基材自体が硬く健全であれば、浮いた塗膜を削り落とすケレン作業と部分塗装(約2万〜5万円前後・足場別途)で補修可能です(出典:住まいの彩生館:部分補修の費用相場)。ただし、2階以上で足場が必要な場合や、築10年を超えて壁全体の防水性が切れている場合は、部分補修を繰り返すより全面塗装で一度に直した方がトータルコストを抑えられます。
- 前回の外壁塗装から2〜3年しか経っていないのに塗膜が剥がれてきたのは手抜き工事ですか?
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塗装から1〜3年以内に塗膜がパリパリと剥がれたり膨れたりする場合は、高圧洗浄やケレン(旧塗膜除去)の下地処理不足、難付着サイディングに対する下塗りシーラーの選定ミス、または規定の塗り重ね乾燥時間(例:23℃で4時間以上)を守らなかった施工不良の可能性が考えられます(出典:日本ペイント:はくり・付着不良・はがれ)。また、2000年以前の「直貼り工法」の住宅では内部の湿気が原因で早期に膨れることもあるため、まずは施工時の保証書を確認した上で第三者の専門業者にも原因を診断してもらうのが安心です。
- 寒冷地でサイディングの表面が白くボロボロ欠ける「凍害」は塗装で補修できますか?
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軽微な表面の欠けであれば専用パテと補修塗料で成形できる場合がありますが、内部の水分が凍結・膨張を繰り返してサイディングボード自体が層状に剥がれている重度の凍害は、上から塗装してもすぐに塗膜ごと剥がれ落ちてしまいます(出典:ケイミュー:耐凍害性、日本窯業外装材協会:標準施工)。凍害が進んだ箇所は、傷んだボードを交換する「部分張り替え(約5万〜20万円前後)」や、壁全体を覆う「金属サイディングのカバー工法」で根本的に対処しましょう。
- 外壁の剥がれ補修に火災保険は適用されますか?
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紫外線や雨風による経年劣化、寒冷地の凍害、または施工不良による塗膜の剥がれは火災保険の補償対象外です。火災保険が適用されるのは「台風や暴風で飛んできた物がぶつかって外壁が欠けた」「落雷やひょう(雹)で外壁が破損した」といった突発的な自然災害による損害に限られます。「経年劣化の剥がれも火災保険で実質無料で直せる」と勧誘する業者には十分注意してください。
本記事は公的機関・業界団体(日本窯業外装材協会・日本建築学会)および塗料・建材メーカー(日本ペイント・ケイミュー・LIXIL等)の公開技術資料に基づき作成していますが、個別の住宅の構造や劣化状況により適切な補修工法と費用は異なります。実際の施工にあたっては、複数の専門業者による現地調査と見積もり比較を行ってください。